JAC幼児教育研究所

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読書のすすめ

2008年9月10日 17:48

 お子様に、毎日絵本の読み聞かせをなさっていらっしゃる方は多いことと思います。

書店や図書館の絵本コーナーでお子様が喜びそうな絵本を探していると、小さかった頃、お父様やお母様から読んでいただいた大好きな絵本に再会したり、新しくかかれたすぐれた絵本に巡り会ったり...。時間を忘れて楽しんでいることもおありなのではないでしょうか?

私は、本を読むことが大好きな子どもでした。私が通っていた小学校には、当時、担任の先生が選んだ本を並べた学級文庫があり、図書室に行かなくても教室で休み時間に自由に好きな本を読むことができました。世界各国の児童文学が著者の国別にまとめられている講談社の「少年少女世界文学全集」は50巻以上ある大全集でしたが、いろいろなお話が次々と出てくるので大好きでした。一時期は、これらの本を読みたくて登校していたほどです。大人になってから古書店で探しましたが見つからず、忙しさに紛れてそのままにしておりましたが、最近ある図書館で全冊揃っているこの全集と再会し、懐かしさで胸がいっぱいになりました。

 お子様にいろいろな本を読んで差し上げることは、とても大切なことです。が、今日はあえて、お子様のためではなく、お母様ご自身のために児童文学を読むことをお勧めしたいと思います。

 児童文学はいうまでもなく子供のために大人が書いた文学です。子供の視点で書かれていますので、今お読みになると多少のズレをお感じになるかもしれません。でも、読むほどに心の中にある子供時代が蘇ってきて、まったく抵抗なく物語の世界に入って行けるはずです。

児童文学をたくさん読んで育った方には再読を、あまり縁なく成長された方にはこの機会にお読みいただきたい作品をいくつかご紹介します。ぜひ、児童文学の世界をお楽しみください。


「若草物語」
19世紀のアメリカ、南北戦争時代に、北部で暮らす敬虔なプロテスタント信者の家庭に育つ4人姉妹を描いた物語。小説「風と共に去りぬ」は同時代の南部が舞台なので、一緒に読むと、更に深く楽しむことができるでしょう。

「少女パレアナ」
20世紀初頭の少女の精神生活を描いた物語。孤児パレアナは、牧師だった亡き父から教えられた「何でも喜ぶゲーム」を日々の生活の中で行い、周囲の人々に喜びを与え、自分自身も幸せになるというお話です。

「秘密の花園」
「小公子」「小公女」を書いたバーネットの作品。孤児メアリがイギリスの荒野に建つ叔父の屋敷
に引き取られ、荒れ果てていた花園を、病弱な従兄弟コリン・召使いの弟ディコンと共に美しい花園に再生させるうち、メアリは心の健康を、コリンは身体の健康を得るという物語です。

「フランダースの犬」
19世紀後半のヨーロッパ、ベルギーのアントワープ近郊を舞台に、絵を描くことが大好きな貧しい少年ネルロとパトラッシェという名の犬の交流を描いた物語。日本の大学生へのアンケートで70%の学生が「知っている」と答えました。アニメーションが有名ですが、ぜひこの機会に原作を。


藤田 章子

〜次回掲載は7月4日(金)の予定です〜