JAC幼児教育研究所

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三つ子の魂百まで

2008年9月10日 17:56

「どのようなお子様に育って欲しいとお考えですか?」面接試験でよく聞かれる質問です。ご両親はお子様を授かった時から今に至るまでの様々なことを思い出しながら、希望や期待を込めて親としての想いを語られることでしょう。

 親ならば誰もが抱くであろう、わが子にこうあって欲しいと願う気持ち。私たちの両親も、私たち同様にわが子への希望や期待を抱いていたはずです。

自身の幼い頃を思い出してみてください。「きちんとご挨拶しましょうね」「困っている人を見たら助けてあげましょうね」「どんなときも嘘をついてはいけないよ」「がんばればきっとできるよ」といったご両親の言葉を思い出される方がいらっしゃるかもしれません。一心不乱に何かに打ち込んでいるお父様の背中や優しく語りかけるお母様の笑顔など、その時々のご両親の姿を思い出される方もいらっしゃるかもしれません。私たちは、そうした言葉や姿を通し、「礼儀を重んじる人間になって欲しい」「まっすぐ正直に生きて欲しい」「一度決めことは最後までやり抜いて欲しい」等々、実に多くの愛に溢れたメッセージを受け取りながら成長してきました。そして、それらが蓄積され、あるときは判断の基準となり、あるときは自分を踏み留まらせるストッパーとなり、またあるときは背中を押してくれる力強い応援となって、一人ひとりの人生を造り上げているように思います。

メッセージは良いものばかりとは限りません。例えば虐待。わが子を虐待する親の半数が、自分自身も幼い頃に虐待を受けた経験を持つと言われます。存在を否定されたり、怒りや憎しみに彩られたメッセージばかりを受け取ったりして育った子どもは、親になってもまた、わが子に負のメッセージを送ってしまうというのです。

「三つ子の魂百まで」という諺がありますが、この「魂」とは、両親から送られるメッセージによって造られていくものなのかもしれません。

皆さんはどうでしょう?日頃、お子様にどのような言葉を掛けていますか?どのような態度で接していますか?今、お子様はご両親の言葉や態度からさまざまなメッセージを受け取り、「魂」として蓄えつつあります。幼児期には厳しく躾ることも大切ですが、「〜しなさい」「〜してはいけません」と言うばかりではご両親のメッセージは正しく伝わりません。褒めてあげること、一緒に喜んであげること、たくさんの笑顔を向けてあげること...ご両親と過ごす楽しく嬉しい時間や経験が、「あなたを心から愛しているよ」「あなたのことが大好きよ」というメッセージとなってお子様に伝わり、自分も他人も同じように大切にしたり、自分を好きになれたり、人間を信じることができたりという、人が生きていく上でとても大切な心すなわち「魂」を育んでいくように思います。

今、ご両親がお子様に送られているメッセージは、お子様のお子様へ、さらにそのお子様へと代々伝えられていくことでしょう。すてきな「魂」が引き継がれていきますよう心から願っています。


曽我みどり

〜次回掲載は8月1日(金)の予定です〜