ママのこと大好きってかんじ
先日、幼稚園受験のクラスのおけいこの時に、「どんな時にお母様に褒められますか?」という質問をしました。
すると、「ママには、褒められない」「ママ、いつも怒ってばかり」という声や、黙ってしまう子が続出。それでも、いろいろとお話を続けていくうち、「ママのことお手伝いしたときに、ありがとうってママが言ってくれた」とか、「ご飯全部食べたら、すごいねえって...」と、ぽつぽつ意見が出てきました。
そこで、「じゃあ、褒められるとどんな気持ち?」と聞いたところ、ある女の子が大きな声で、「ママのこと大好きってかんじ!」。これを聞いた私は、とても嬉しく温かな気持ちになりました。
毎日、母親として子どもと向き合っていると、嬉しいことや楽しいことがたくさんある反面、イライラしたり怒り出したくなることもあるでしょう。そんなとき、ついつい口から出てしまうのは、「〜してはいけません」、「〜しなさい」。それを「叱っている」、「躾けている」と、勘違いしてはいませんか?
もちろん、命に関わることを教えるときに「叱る」ことは大切です。また、躾は「子どもが自立して幸せに生きることができるよう、基本的な生活習慣や社会的マナーを親が子どもに伝える行為」。親として、ときには厳しく躾けることも必要です。
けれど、これ以外の場合は、「叱っている」のではなく「怒って(いかって)いる」のです。あなたは、自分の都合で腹を立て、子どもに怒りをぶつけていませんか?
かく言う私も、子どもが幼い頃、感情にまかせて怒りをぶつけてしまうことがよくありました。見かねた夫から、「別の部屋へ行って、少し冷静になってきなさい」と言われたこともあります。その言葉に従って子どもから離れ、気持ちを静めると、まだ幼い子どもに親の都合を押しつけてイライラしていた自分に気づき、私自身が落ち込んでしまうという経験も何度もしました。そして、そんな自分を立て直すために、叱らずに(怒らずに)すむにはどうしたらいいかを考え工夫したこと。夫とも、話し合い考え合ったこと。これらは、子育てによって与えられた大きな恵みだったなあと、今、しみじみ思います。『幼いわが子を受験させると決めたのは、私達両親。だからそのことで子どもの行動を禁止したり、命令したりするのはやめよう』。自分達の子育てについて真剣に話し合い、導き出したひとつの結論は、その後の家族のあり様を方向づける、とても大切な約束でした。
今、まさにその渦中にいるお母様、どうぞ怒りのスイッチが入っても、すぐさまそれを切ることができますように。そして、「あなたがいて嬉しい」という無条件のプラスのメッセージを、いつもいつも送ってあげてください。きっとお子様はどんどん変わっていきますよ。だってお子様は、ママのことがいつだって大好きなんですもの。
永井敬子
〜次回掲載は9月19日(金)の予定です〜