JAC幼児教育研究所

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仲間と一緒に育つ・育てる【3】 "わくわくドキドキ楽しいね"

2008年9月19日 17:04

2学期が始まりました。暑さが和らぎ、少しずつ秋を感じる季節...。今日もお弁当前のお楽しみ、集団遊びの時間がやってきました。「今日は何をしようかな?」と声をかけると、一斉に「かくれんぼ!」の声。みんなの笑顔を確認し、
「鬼になりたい人?」
「・・・」
「じゃあ、最初は先生とともちゃんで鬼になるわね、ともちゃんいいかしら?」
「はぁーい」
ともちゃんは嬉しそうにお返事をすると、すぐ手を繋ぎました。そう、入会したばかりの頃、お友達に誘われた電車ごっこがすっかりお気に入りになった、あの"ともちゃん"です。
ところで、通常は、お子様の安全のため、見通しを良くし死角を作らないよう配慮してある保育室ですが、"かくれんぼ"をするときには、遊ぶために用意してあるダンボール、大きなウレタンやコルクの積木、マット、シーツなどで隠れたくなるような場所を作ります。今日は、トンネル遊びをする布製のクジラも登場しました。 
「それでは数えます。1,2,3,4,5,6,7,8,9,10、もういいかい?」
「まぁだだよ。」
「あら、まだなんだって・・・もう一度聞いてみる?もういいかい?」
「もういいよ。」
さて、何処に隠れているのかな?積木の向こうで誰かが動いています。
「みーつけた!」
子供たちは、マットのお家やダンボールのビル、シーツのお部屋の中など、みつからないように隠れながらも、実はみつけて欲しくてワクワクしています。やっとみんながみつかったと思い見回してみると、ケンちゃんが居ないことに気付きました。
「あっ、クジラが動いてる!」
教室の真ん中に置いてあるクジラのしっぽが、わずかに動いています。みんなで近づき、そーっと捲るとケンちゃんがニコニコ笑っていました。
「ケンちゃん、みーつけた!」
やっと全員みつかりました。
「今度は最初にみつかったえみちゃんが、先生と鬼になってね」
ふと見ると、クジラの所でりょうちゃんとゆうくんが取りっこをしています。
「ねぇ、2人で一緒に隠れてみたら?みんな、びっくりするんじゃない?」
2人共にっこり。
「さぁ、隠れて!」
案の定、みつけたえみちゃんは大喜び。見つけられたりょうちゃんとゆうくんも大喜び。以来、クジラを取りっこするのではなく、一緒に隠れようとするお友達が増えました。
 お子様は、ご両親や兄弟の真似をして、基本的な生活習慣やマナーを覚えたり、挑戦したり一生懸命に取り組んだりする生きる姿勢も学びながら成長していきます。キンダーガーデンのなかでも、お友達と一緒に行動したり、遊んだりすることで、一緒に行うことの楽しさや喜びを体験するとともに、順番を待つといった集団生活のルールや、嫌だという気持ちを「ちょっと待ってね」という言葉に換えて伝えれば仲良く遊べるといったコミュニケーションのとり方を学んでいます。そうやって、お友達との関わり合いの中で、'自分と同じように相手を大切にする心'が、少しずつ育くまれていくのですね。
おてんばだった私は、かくれんぼや鬼ごっこ、靴隠しなどの集団遊びが大好きでした。すぐ捕まって悔しかったこと、なかなかみつけてもらえずヒヤヒヤしたこと...。どこで誰と何をしたかは忘れても、"ワクワク、ドキドキした気持ち"は今も鮮明に覚えています。
 ともちゃんは、お店屋さんごっこで、「100円です」とケーキを売るのが上手になりました。ケンちゃんは、ブロックで大きなお家を作るのに凝っています。みんな、日々成長しているなぁ〜と、幸せに浸りながらマットの家でニヤニヤしていると...
「あっ、せんせい、みーつけた!」
みんなの笑顔、今日もいっぱい!


                                    磯  三千穂


〜次回掲載は10月3日(金)の予定です〜