JAC幼児教育研究所

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今からでも、間に合いますよ!

2008年5月16日 20:29

今までジャックの教室で、本当にたくさんのお子様とその保護者であるお母様方に出会ってきました。どの出会いも、私にとって忘れることのできない大切な出会い。いろいろなことに気づかせてくれる、素晴らしい出会いです。

そんな中で、いつも思うことがあります。それは、「おかあさま、もうちょっと肩の力を抜いてみて!」ということ。みなさん、とても一生懸命です。大切に慈しみ、期待をかけ、いい子に育つようにと願う・・・・かつて、私もそうした母親の一人でした。

ひとりでは何も出来ない、かよわい存在として目の前に現れたわが子。母親として献身的に世話をし、保護することに、無上の喜びを感じるのもつかの間、子どもは日に日に成長し、だんだんといろいろなことが出来るようになっていきます。すると親の方は、ハラハラ、ドキドキがいっぱい。口から出るのは、「やめなさい」、「いけません」、「だめです」...。

もう少し成長すると、今度は親の望むように行動させようとする言葉が増えてきます。「早くしなさい」、「さっさとしなさい」、「いい加減にしなさい」、ああしなさい、こうしなさい云々...

私たち夫婦は、わが子を『よく考える子ども』にしたいと願い、私はそうなるようにと子育てをしているつもりでした。ところがある日、夫が私にこう言いました。「君が口にするのは禁止語と命令語ばかりだね。それじゃぁ、あの子は『自分で考えて解決していく』ということが出来ない子どもになってしまうよ」。

思わぬ指摘に、私は絶望的な気持ちになり、「今からでも間に合うかしら?」と聞きました。すると夫は、「大丈夫。気づいたことが大切だよ。これからだよ」。この言葉に励まされ、勇気づけられて、私はまた子どもと向き合うことができました。(実はこの後も、何度もこの「今からでも間に合うかしら?」「大丈夫だよ」が、繰り返されたのですが・・・・・。)

今、子育て真っ最中のおかあさま方を見ていますと、あの頃の私と同じような方が、あちらにもこちらにも...。

子どもは、日々成長しています。親も成長し、子どもへの接し方を変えていく必要がありますね。子どもは、いつまでも赤ちゃんではありません。自分で出来ることがどんどん増えてきます。そんなとき、親は子どもがやることを、じっとそばで見守ってあげていればいいのではないでしょうか?そう、私たちは「支配者」から、「親」にならなければならないのです。「親」という字は、木の上に立って見ると書きます。すぐ近くで見守り、必要なときに援助するのが、親の役目だと私たちに教えてくれているようです。

最後に、私への教訓になった言葉をご紹介します。

「ママ、一人でするのを手伝ってね」


昔読んだ本(相良敦子著・講談社刊)の題名なのですが、あの頃の私は、子どものやることに口出しや手出しをしたくなったとき、この言葉を思い出し、自分にブレーキをかけていました。

さて、あなたはどうですか?少しでも思い当たることがあるおかあさま、大丈夫。今からでも間に合いますよ!
 

永井 敬子

〜次回掲載は6月6日(金)の予定です〜