三歳にして立つ
反抗期は自立への第一歩 <反抗期のお子様とのつきあい方>
夏休み前に開かれたキンダーガーデンの保護者会で、多くのお母様方が悩んでいらっしゃる「反抗期のお子様とのつきあい方」についてお話ししました。
反抗期真っ直中のお子様とどのように接したらよいか、これから反抗期を迎えるお子様とどのように向き合ったらよいのか、今回はこの点についてお話してみたいと思います。
いわゆる「反抗期」は、一般的に、3歳前後、就学前後、思春期の3回あると言われており、お母様方も、かつて経験されたことと思います。
反抗期は、子どもが急速に発達し成長する大切な時期であり、自立していくための重要なプロセス。とりわけ、キンダーガーデン世代である3歳前後「第一反抗期」の接し方は、その後の子育ての重要な鍵になっていきます。
さて、2歳を過ぎると、お子様は少しずついろいろなことが出来るようになっていきます。また自我が芽生え、感情も豊かに分化し、「自分でやりたい」「自分で出来る」と自己主張するようにもなります。
例えば、出かける間際になって靴下を「自分ではく」と言い張り、困ったことはありませんか?
これが自己主張の一例です。さらにこの時期の子どもは、手伝おうとすると怒って靴下を投げることもあれば、反対に「出来ない。履かせて」と甘えて来ることもあります。
お母様は、「この子は何を望んでいるのかしら?」と迷ってしまいますよね。実は私にも、日替わりのように反抗的になったり甘えたりするわが子の態度に戸惑った時期がありました。
では、こうしたわが子に、親は、どのように接していけばよいのでしょう。
子どもが自己主張をしたときは、それを受け入れることができるかどうかをまず考えましょう。
そして、受け入れると判断したなら、ゆっくりと時間をかけ、本人が納得するまで待ちましょう。
すぐ近くで見守りながら、「必要なときはいつでも手伝ってあげるよ」という姿勢を見せてやるのです。くれぐれも、違えたりスムーズにできないからといって頭ごなしに指摘しないこと。
「ほら、間違ってる」とか「やっぱり出来ないじゃない」といった言葉はお子様のプライドを傷つけますから、口にしてはいけません。出来たり出来なかったりを繰り返しながら、少しずつ自分で出来る喜びを増やしていくことが大切です。
一方、受け入れることが難しいときでも、単に否定するのではなく、「いつなら」「どこでなら」といった条件を伝えるなど、お子様の気持ちを受け止める工夫をしてあげてください。
反抗は、親を信頼し安心できる存在だと認めているからこそできること。
反抗期は、健全な親子関係が築けている証であり、順調に成長している証です。
もし、「うちの子は素直で反抗したことがない」というなら、その方が心配。
頭ごなしに押さえつけてはいませんか?手を出しすぎてはいませんか?ちょっと考えてみてください。
また、反抗期のお子様を受け入れることはわがままにつながるのではないかと懸念されるかもしれません。しかし子どもは、人に受け入れられることによって相手を受け入れることを学んでいるのです。もちろん、ときには「駄目なものは駄目」という確固たる方針で臨むことも大切ですし、危険なことや人に迷惑をかけることはきっぱりと禁止すべきです。
お子様は、自己主張をしながら親の様子を探っているのですから、その場しのぎや甘い判断は禁物です。
さあ、あなたも、悩んでいないで、反抗期を楽しみましょう。
「やってる、やってる」、「順調、順調」と 我が子の成長を喜んで見守りましょう。
一番身近なお母様が余裕を持ってお子様を見守り、受け入れてあげれば、お子様にも、周囲の人と協調する心が養われていきますよ。
浅井 泰代 (勝どき教室)