ジャックの絵本
ジャックの絵本
アリのピッピは、はたらきもの。
まいにち きょうだいといっしょに エサをさがしています。
「やったー!きょうのアメは にじいろだ!」
みんなで きのねもとのおうちに アメをはこびました。
あるひ ピッピはおもいました。
「ぼく エサがないかな?って じめんばっかり みてる…」
さんぽを しながら ふとみあげると きんいろに かがやくものが!
ドキドキしながら、
「あなたは おつきさま ですか?」と きいてみると
「いいえ わたしは タンポポよ」
と そのきんいろさんは にっこりわらいながら こたえてくれました。
「ふ~ん いいかおりだね またくるね」
しばらくいくと こんどは みずいろに ゆれるものが!
ピッピは「あなたは だぁれ?」
と ワクワクしながら きいてみました。
「わたしは ちいさなおはな、ベロニカよ」
と そのみずいろさんは しずかに こたえました。
「ふ~ん すごくきれいないろだね。また くるね」
そのひから なんども ピッピは
タンポポやベロニカに あいにいきました。
あるひ いつものきいろいタンポポが
まっしろになっていて こういいました。
「わたし たびにでるわ とおくまでとんでいくの
いままでありがとう」
おどろいたピッピは
「ぼくも いっしょに つれていって!!」と
ふわふわした タンポポの わたげのねもとに
つかまりました。
くもが ぼくのそばにある!
とりが うたってる!
かぜって こんなおとが するんだね!
「うわぁ なんてステキなことが いっぱいなんだろう!!」
ピッピは はじめてのこと ひとつひとつに めをまるくしました。
「あの みどりのおおきなのは なぁに?」
「あれは やまよ。あきにはきが あかやきいろになって…」
「あっ にじ!」
「わぁ きれい!
そうだ ぼく にじいろのアメを おいてきたこと わすれてた!」
ピッピは あわてて わたげから てをはなしてしまいました。
「あれぇ? おちちゃうよ~ タンポポさ~ん!
もっと いっしょに とんでいたいよ~」
ビュー ストン!
ピッピは みずにうかぶ はっぱのうえにおちました。
そして そのまま ウトウト…
「ワンッ ワンワンッ!!!」
ピッピがめをさまして まわりをみると そこは しっているばしょでした。
「あれぇ? ぼく いえに かえってきたのかな!?」
ともだちのいぬが いけにいるピッピをみつけ
はっぱをくわえて おうちのそばに もどしてくれたのでした。
「ただいま~!!」
ピッピが げんきにいうと かぞくがかけよって きました。
「ピッピ! どこにいってたの? しんぱいしてたんだよ」
「さんぽが ながくなっちゃって ごめんなさい…
でもね ぼくいろんなはじめてを みたんだよ!
くもに ちかづいたし やまをうえからみて
ホンモノの にじもあったの!」
「えっ? どこで? どうやって?」
きょうだいたちは おおさわぎ。
おかあさんが ピッピを だきしめてくれました。
「ピッピ おかえりなさい」
「あのね ぼく タンポポさんとそらをとんだんだ」
「えっ? なんてステキ!」
「でね、にじをみたら、にじいろのアメのことを
おもいだして…」
「アメはちゃぁんと ありますよ。
たべながら たびのおはなし きかせてね。
おとうさんも きょうだいも みんないっしょに!!」
めでたしめでたし