ジャックの絵本ジャックの絵本

『パパのまなざし』ー 大好きなパパと公園へお出掛けに行き、、、

『パパのまなざし』ー 大好きなパパと公園へお出掛けに行き、、、

パパ1

「ただいまー。」
つんちゃん ねちゃったかな?

 つんちゃんはパパが大好き。
でもパパはお仕事が忙しくて なかなか一緒に遊ぶことができません。

パパ2

パパ- おはよう!!

今日は、ずっと前から約束していた特別な日曜日。
パパと公園に行くんだと、つんちゃんは、とても楽しみにしていました。

パパ3

わーい、わーい。
公園に行くよ。パパ、早く、早く。

わかった、わかった。
つんちゃん そんなにひっぱらないで…

パパ4

公園に着くと、つんちゃんは勢いよく走り出しました。

「パパがオニだよ。つかまえてね」

「おっ、おにごっこか。まてー!!」

パパ5

こっちだよー
つかまえてみなー

みどりの芝生の上を、逃げるつんちゃん、
追いかけるパパ。

「まてー!!」

「またないよー!」

パパー、こっち、こっち。

 はあ、はあ、はあ…

つんちゃんはすばしっこくてなかなかつかまりません。
パパは、すっかり疲れてしまいました。

パパ6

「つんちゃん、パパは少しおやすみするから、つんちゃんひとりであそんできてよ」

「うん、わかった!でも、ちゃんと見ていてね」

つんちゃんは、すべり台へむかって走っていきました。

パパ7

「いい天気だなぁ」

ベンチに座ったパパはおそらを見上げてほっとひといき。
公園の中では、たくさんの子どもたちが遊んでいます。

「あれはジャングルジムだな。みんなうまくのぼるなぁ」

パパ8

「こっちはのぼりぼうか。あれ、むずかしいんだよなぁ。なんか懐かしいなぁ…むかしよくのぼったよなぁ」

 公園のなかを見回しながら、そんなことを考えていると…

パパ9

パパ…

見てないんだ…

 パパ10

あれあれ??つんちゃんがすごい顔で怒っています。

「あれ、?すべり台行ったんじゃなかったの?」

「行ったよ。もうすべった」

「もう一回やっておいでよ」

「やらない」

パパ11

「じゃあ、ジャングルジムは?」

「行かない」

「どうして、楽しいよ」

「楽しくない」

「じゃあ、のぼりぼうは?それとも砂場がすきなのかな?」

「どっちもやらない。つんちゃん、もう遊ばない!」

「どうしたの?おなかでもいたいの?」

パパ12

「ちがうよ。パパがわるいんだ!」

「えっ?パパ、何かしたか?」

 「ちゃんと見てるって言ったのに。だからつんちゃん、がんばっておっきなすべり台の一番上までのぼって手を振ったのに。パパ、ぜんぜん見ててくれなかったじゃないか。パパのうそつき。うそつきのパパなんて、だいっきらいだー!!」

パパ13

とうとうつんちゃんは、泣き出してしまいました。

そっか!

パパはようやく気がつきました。
つんちゃんはパパに見ていて欲しかったのです。
パパが見ているから、勇気を出して、今までのぼったことのない一番大きなすべり台の一番上までのぼるころができたのです。

うわ~ん え~ん パパのうそつき。見てるって言ったのに…

パパ13-2

「つんちゃん、ごめんな。今度はパパ、ちゃんと見ているから、つんちゃん、もう一回すべり台で遊んでおいで!」

パパ14

「うん、わかった!今度はちゃんと見ていてね」

くるりと背を向けると、つんちゃんはすべり台に向かって走っていきました。

 パパ15

つんちゃんは公園の中で一番おおきなすべり台の一番上までのぼり、パパに向かって手を振っています。
パパも、つんちゃんに向かって、笑顔で手を振り返します。

パパ16

つんちゃんは安心したような顔になり、万歳をしたままスタートしました。

「ひゃっほー!」

パパ17

「ねえパパ、見てた?」

「うん、見てたよ」

「すごく速くて、すごくカッコよかったでしょ?」

「速かったね、万歳したままでカッコよかったよ」

「つんちゃん一人ですべれてすごいでしょ?」

「すごい、すごい。つんちゃん、こんなこともできるなんて、パパびっくりしちゃったよ」

パパ18

つんちゃんは、とっても嬉しそう。

パパもとっても嬉しそう。
さて、次は何をして遊ぼうか。日曜日はまだ始まったばかりです。

パパ19

 

パパ20

つんちゃん、今日は楽しかったね。
いっぱい遊んだね。

あれれ?ねちゃった…?

むにゃむにゃむにゃ…

―おしまい―