ジャックの絵本
ジャックの絵本
「まぁ!こんなにどろだらけになって!」
こうえんからかえると おかあさんが めをまるくしていった。
それから くんくんとにおいをかいだ。
「たくさんあそんだのね。さぁさぁおふろおふろ」
きょうのおふろは あわぶくおふろ。
「さぁ、あたまをあらうぞ。めをぎゅっとつぶれよ」
おにいちゃんのてが 私の頭をゴシゴシあらう。
ん~シャンプーのいいにおい。
おふろにはいってすっかりきれい。
どん! と なにかに ぶつかった。
もごもごもご
ん? このにおい なんのにおいだっけ?
「あ!わかった!」
「おじいちゃんのにおいだ!」
おじいちゃんは えのぐのにおいがする。
おじいちゃんのふくも おじいちゃんのへやも えのぐのにおいでいっぱい。
「ん~? むこうから いいにおいがするぞ」
ふわぁり ふわぁり
においが はなをとおって
くちのなかまで はいってきた。
「ほうらね、コーヒーだ!」
おにいちゃんは うれしそうに コーヒーのカップに はなをくっつけた。
「ん~、いいにおい。ちょっとだけのませて?」
おとうさんは テーブルにクッキーもならべた。
「それじゃあ、おやつのじかんにしよう。
にわにいる おかあさんたちを よんでおいで」
「はーい」
「おかあさーん、おばあちゃーん、おやつですよー」
おかあさんたちは にわのていれをしていた。
「ちょっときて。 これ、なぁんだ?においをかいでみて」
おかあさんは もっているはっぱを みせてくれた。
くん くん くん
スーッと はなをとおって めがぴりっとするにおい。
「う~ん? なんてはっぱ?」
わたしがきくと
「ミントっていうのよ」
と おばあちゃんが おしえてくれた。
「さ、きょうはここまで。あめのにおいがしてきたわ。」
おばあちゃんが そらをみて
くんくん と においをかいだ。
「あめのにおい?」
わたしもまねをして くんくんと
はなをうえにむけてみた。
「ん~?あめって どんな においかなぁ?」
―おしまい―