絵本紹介絵本紹介

はっぱのおうち(年少)

はっぱのおうち(年少)

文 征矢清 
絵 林明子 
福音館書店

あらすじ: “さち’’には隠れるお家があり…

“さち”がお庭で遊んでいると、ぽつん、ぽつんと雨が降ってきま した。でも平気。“さち’’には隠れるお家があるのです。それは、しゃがんだ“さち”がちょうど入れるくらいの、庭木の茂みにできた小さな窪みでした。
その日、“さち”のお家には次々とお客さんがやってきます。カマキリ、モンシロチョウ、コガネムシ、テントウムシ、パンをくわえた小さなアリ。仲良く雨宿りしていると、空が明るくなりました。雨がやんだのです。さあ、お母さんが待っている本当のお家へ帰りましょう!

評:小さな虫達への優しい気持ちも伝わってきます

主人公の“さち”がとにかくかわいい。林明子さんの子どもの描写には定評がありますが、この絵本では、動きが少ないだけにその表情の変化が際立ちます。まるで生きているかのようです。雨露が作り出すクモの巣のイルミネーション、葉っぱの上で輝く雨のしずく…にわか雨のすがすがしさも伝わってきます。
さて、子どもには、親が考える以上に、意外な知恵があるものです。庭木の窪みでにわか雨をやり過ごすというのも、幼い子どもなりの知恵。小さな虫達への優しい気持ちも伝わってきて、思わず微笑んでしまう絵本です。2 ~ 4 歳くらいの女の子におすすめです。