絵本紹介絵本紹介

しずくのぼうけん(年長)

しずくのぼうけん(年長)

文 マリア・テルリコフスカ 
絵 ボフダン・ブテンコ 
訳 うちだ りさこ
福音館書店

あらすじ:バケツからぴしゃんと飛び出した水のしずくは冒険の旅へ

村のおばさんのバケツから飛び出した、一滴の水。裏庭で、ほこりにまみれて汚れてしまったので、きれいになろうと、クリーニング屋へ行ったり、病院を訪ねたり…。
そのうち蒸気になって空へ登り、 雨雲にせかされて雨になって地面に逆戻り。と、岩の割れ目にはさまって、夜になったら氷のかけらに変身し、岩をバンと爆破する。朝が来て、しずくに戻ったと思ったら、今度は川へと転げ落ち、そのまま街までやってきた。
ゆらゆら流れて遊んでいると、知らない間に水道取り入れ口に引き込まれ、真っ暗な管を通ってろ過されて、台所の蛇口から顔を出した。 次に飛び込んだのは、洗濯機。レースにはまったまま、ストーブ近くでいい気持ち。そのうち蒸気になって部屋の外へと逃げ出したしずくは、大きな大きなつららになった。春になり、また旅に出る日を夢見ながら…。

評:気温や場所によって変化する水の不思議を、ユーモラスな絵柄で描いています

一滴の水の冒険記。極めて科学的な内容にもかかわらず、色鮮やかでどこかユーモラスな絵柄、リズミカルな語り口調、手書き風の文字などにより、小さな子どもにも無理なく親しめる絵本です。科学的な興味を育てる上でも、ぜひ読んであげてください。