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絵本紹介
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絵本紹介
作・絵 高畠純
絵本館
ピースランドは平和な島。朝を告げるニワトリが寝坊しても、誰も文句を言いません。島には、髪がぼさぼさな床屋のライオン、仲良く散歩を楽しむへんてこな帽子と長靴、花柄の青虫など、ちょっと変わった住人がいます。この島では、郵便配達は魚の仕事、航空便はとびうおが担当します。お昼には島民全員お昼寝し、午後からは島民みんなで太陽の大掃除。その後はダンスを楽しみます。
そうそう、この島には、すばらしいものがあります。それは、牛が世話する「ビスケットの木」。毎日たっぷりミルクをもらって、とっても美味しいビスケットを実らせるのです。ぜひ一度お試しあれ!
この絵本には、人生の教訓になるような教えや感動するようないい話は出てきません。ただ、楽しいのです。ゆったりとした時間の流れが、心地良いのです。カラフルな色彩の、どこかユーモラスなイラストが、ほのぼのとした寛いだ気分にさせてくれるのです。絵本に何かを求めたい方には、物足りないかもしれません。けれど、こういう絵本があってもいいんじゃないかと、私は思うのです。幼い頃からこういう絵本に接することで日本人の苦手なユーモアやウイットの感覚が、自然に育まれるのではないかという期待を込めてご紹介します。