絵本紹介
絵本紹介
文 ジャニス・メイ・ユードリイ
絵 マーク・シーモント
訳 さいおんじちかこ
偕成社
そびえ立つ木々を見上げながら、“ぼく”は考えています。
『木がたくさんある森はいつも生き生きしている。たった一本でも、 木があるといい。夏に葉っぱは口笛えを吹く。秋になって葉っばが落ちれば、落ち葉でいろいろな遊びができる。枝に登って遠くを見たり、座ってじっと考えたり、海賊ごっこもできる。リンゴの木だったらリンゴも取れる。枝で砂に絵を描くこともできる。ブランコをつけて遊ぶこともできる。
木陰では、お弁当を食べたり、昼寝をしたりできる。家のそばに木があれば、家は夏でも涼しいし、嵐が来ても守ってもらえる。
木を植えるといいよ。毎年少しずつ大きくなっていく木を見せながら、「ぼくが植えたんだよ」って言うんだ。そうすれば、みんなも家に帰って自分の木を植えるよ』
作者のユードリイは、保育士としての経験を通して、絵本の楽しさ、大切さを実感し、自身でも作品を書くようになりました。
彼女自身が幼児期に体験した木とのすばらしい生活を、多くの子ども達にも味わって欲しいという願いが込められている本作は、シーモントの素朴な絵とあいまって、味わい深い作品に仕上がっています。