絵本紹介
絵本紹介
作 ハンス・ウィルヘルム
訳 久山太市
評論社
あかんぼうのころから一緒に育った犬の“エルフィー”と“ぼく”。 “ぼく”には、“エルフィー”と遊んだ、楽しい思い出がいっぱいあります。
時が経ち、“ぼく”の背はぐんぐん伸びて、“エルフィー”はどんどん太っていきました。寝ていることが多くなり、散歩も嫌がるようになったので、“ぼく”はずいぶん心配します。年をとった“エルフィー” はやがて階段を上ることもできなくなりますが、“ぼく”は、毎日抱き抱えて自分の部屋へ連れていきます。そして、寝る前に必ず、「ず一っと、ずっと、大好きだよ」と話しかけて眠るのです。
ある朝、目を覚ますと、“エルフィー”は死んでいました。家族みんなが悲しみ、涙を流しながら、“エルフィー”を庭に埋めてやります。 “ぼく”は思います。これから先どんな動物を飼ったとしても、毎晩きっと、「ずーっと、ずっと、大好きだよ」と言ってやろうと…。
ペットに対する人間のあり方をテーマにした絵本。全編を通して、“ぼく”が、死を迎えた老犬“エルフィー”の思い出を語るスタイルがとられており、幼い子どもも感情移入しやすい構成となっています。
「僕がどんなに愛していたかを“エルフィー”は知っていた」という信頼関係で死別の悲しみを乗り越えていく姿にも心が打たれます。