絵本紹介
絵本紹介
文 てるおか いつこ
絵 すぎうら はんも
福音館書店
幼い姉弟が、一緒にお風呂に入っているお父さんに聞きます。「サンタクロースってほんとにいるの?」当然のように「いるよ」と答えるお父さんですが、姉弟は納得せず、次々と質問をぶつけます。
「煙突が無くても来るの?」、「ドアにカギがかかっていても来るの?」、
「どうして僕の欲しい物がわかるの?」お風呂から上がると今度はお母さんに聞きます。「どうやって一晩で世界中を回れるの?」幼い姉弟の素朴な疑問に、平然と、ときに考え込みながら答える両親。 心温まる会話が続きます。
幼い頃には、誰もが心底信じているサンタクロース。ところが、年齢が上がるにつれて疑問が生じて来るものです。子どもの遠慮のない質問は鋭くて、親は答えに窮することも多いはず。
ところが、この絵本の両親は、子ども達がぶつけてくるさまざまな疑問に対し根気よく答えていきます。その答えはユーモアたっぷりで、思わずニヤリとしてしまいました。左下に質問する子ども達の表情、左上に質問の内容、右下に答える両親、右上には答えの内容が絵になっているという構成もユニークで、とっても楽しい絵本です。お子さんがサンタクロースの存在に疑問を持ち始めたら、ぜひどうぞ!