絵本紹介絵本紹介

そらいろのたね(年中)

そらいろのたね(年中)

文 なかがわ りえこ
絵 おおむら ゆりこ
福音館書店

あらすじ: ある日“ゆうじ”はキツネと出会い、大切な模型飛行機と空色の種を交換します。空色の種を庭に埋めた翌日・・・

ある日“ゆうじ”はキツネと出会い、大切な模型飛行機と空色の種を交換します。空色の種を庭に埋めた翌日、上の中から芽生えたのは、小さな空色の家でした。
「大きくなあれ、大きくなあれ」という“ゆうじ”の願い通り、その家は少しずつ大きくなり、やがてヒヨコが住みつきました。もっと大きくなって、今度はネコが住みつきました。家はどんどん、どんどん大きくなり、とうとうお城のような立派な家ができました。町中の子ども達も、森中の動物達も、みんなみんなやってきて、家の中で楽しく遊んでいると、キツネがやってきました。そして、自分が交換した空色の種から大きな家がうまれた事を知ると、「飛行機を返すから、家を返して」と、空色の家を横取りします。さらに、「この家はぼくの家だから、みんな出ていっておくれ」と、みんなを追い出してしまうのです。
大きな家を一人占めし、大いばりのキツネでしたが、空色の家は急にどんどん大きくなり始め、ついに太陽にぶつかりそうになったその瞬間、家は大きく揺れ、まるで花びらが散るように、崩れ落ちてしまうのでした。

評:空色の種を蒔いたら、空色の家が生えて来るという不思議さ。子ども達の心を捉える作品に仕上がっています。

「ぐりとぐら」シリーズでおなじみの、中川李枝子・大村百合子姉妹の作品。
空色の種を蒔いたら、空色の家が生えて来るという不思議さ。植物が育つように、家がどんどんと成長していく楽しさ。さらには、身勝手なキツネの無残な末路。明るくかわいらしい挿絵とあいまって、子ども達の心を捉える作品に仕上がっています。

【参考:中川李枝子・大村百合子姉妹の代表作】
◆ぐりとぐらシリーズ
『ぐりとぐら』 『ぐりとぐらのえんそく』
『ぐりとぐらとくるりくら』 『ぐりとぐらのおきゃくさま』
『ぐりとぐらのかいすいよく』 「ぐりとぐらとすみれちゃん』
『ぐりとぐらのおおそうじ』 『ぐりとぐらのいちねんかん』など
◆その他の作品
『こぶたほいくえん』 『はねはねはねちゃん』 『なぞなぞえほん』
『おひさまおねがいちちんぷい」 『おやすみ』 『おはよう』
『たからさがし』 『こぎつねコンチ』 『三つ子のこぶた』
『たんたのたんてい』 『わんわん村のおはなし』 『森おばけ』
『おひさまはらっば』 『らいおんみどりの日ようび』
『かえるのエルタ』など