絵本紹介
絵本紹介
文 ルース・クラウス
絵 マーク・シーモント
訳 きじまはじめ
福音館書店
雪が降っている森の中、野ねずみが眠っている。くまも、小さなかたつむりも、りすも、山ねずみも、みんな眠っている。やがて目覚めた野ねずみは、鼻をくんくん。寝ぼけ眼のくまも、鼻をくんくん。かたつむりも、りすも、山ねずみも、鼻をくんくんしながら駆けて行く。
と、ぴたりと止まって笑い出す。うっふっふっ。笑う笑う、踊り出す。「うわあい!」叫ぶみんなの真中には、一輪の小さなお花が咲いているのでした。
たった一輪の小さな花の香りに誘われて、起き出し、駆け出す動物たち。詩的な文章が、楽しいリズムを奏でます。また、一見モノクロで地味な挿絵ですが、春の訪れを喜ぶ動物それぞれの表情が、細かく丁寧に描かれていて、小さなお子さんを夢中にさせることでしょう。
最後のページ、色鮮やかな黄色い花が、とても印象的です。