「お子様の勉強をどのくらいの時間見ているか」との質問では、「週末のみ」(64人、39%)、「不定期で」(59人、36%)との回答がそれぞれ約4割を占めました。このアンケートにご協力いただいたのはジャック幼児教育研究所の父親講座の参加者のみなさまですが、そうした小学校受験に熱心な父親も、子供と関わる時間を取ることが難しい多忙な毎日を送っている状況が見て取れます。
一方、小学校受験準備の一環として、子供と一緒に取り組んでいる内容では、「運動」(114人)、「本の読み聞かせ」(81人)、「野外活動」(79人)、「ペーパーの勉強」(77人)が上位を占めており、週に1回でも子供との時間をしっかりと確保し、小学校受験準備に積極的に関わる努力をしている父親像を浮き彫りにしています。
小学校受験を経験した父親からは、「最初は"努力"や"義務"と考えていた子供や妻との時間だったが、次第に関わること自体に喜びを感じていくようになった」といった感想を聞くことも多く、父親にとっては、小学校受験が子供の成長に直接的に関わり、また夫婦や家族の関係を見直したりする、貴重な機会にもなっていることがうかがえる結果となりました。
小学校受験に関する情報の入手先では、「インターネット」(100人)を抑えて、「幼児教室」(148人)をあげる父親が圧倒的多数となりました(複数回答)。ネット化された現代社会において、インターネットの1.5倍、書籍にいたっては3倍という高い比率で、幼児教室が情報源として信頼を集めている実態が明らかになりました。
またこの結果から、母親には母親同士など固有の情報ネットワークがあるのに対して、父親には母親ほどのネットワークはなく、小学校受験に関しては"孤独"な状況にあることをうかがい知ることができます。
父親が幼児教室を情報源とするそのほか理由としては、「入試問題が公開されていない小学校受験において、出題傾向やそのための準備について最新かつ正しい情報が入手できるのは幼児教室だから」、「子供たちは1人ひとり成長の度合いが違うので準備を進める上で本当に大切なことはマニュアル化できないから」などという声をよく耳にします。
ご両親の小学校受験経験についての回答でもっとも多かったのは、「両親ともになし」の117人で、全体の69%を占めました。次いで多かったのが「父あり、母なし」(25人、15%)、「父なし、母あり」(18人、11%)の順で、「両親ともにあり」は9人、5%に止まっています。
約7割の家庭でご両親とも小学校受験経験がないのは、ある意味、意外な結果といえるのかもしれませんが、最近の傾向として「自分の出身校に子供を入学させたい」という理由だけでなく、「私立ならではの小学校教育を受けさせたい」と願う親たちが増えていることが、この結果にも反映されているようです。
小学校受験を決意した理由では、「一貫教育に魅力」(98人)、「カリキュラムや設備など、教育環境を整えたい」(76人)、「公立小学校に不安を感じた」(74人)、「お友達やそのご家族など、生活環境を整えたい」(42人)、「切磋琢磨させたい」(24人)が上位となりました(複数回答)。
注目したのは、5位に入った「切磋琢磨させたい」という回答です。従来は「子供を切磋琢磨させたいなら公立小学校へ」という考えが主流でした。しかし、以前より多くの私立小学校では、勉強、スポーツ、その他の特技で一人一人の個性や能力を認めてそれを生かす応援をしており、皆が違って当たり前という多様性を受け入れる教育を実践しています。また、勉強や体育の授業でも、ひとつの目標のために全員が競い合い、共に高め合う教育を日常的に取り入れています。この真の意味での多様性の受け入れや競争の在り方がご両親たちの間で再認識されているのかもしれません。
5月に実施したこのアンケートでは、志望する学校の数は、「2〜3校」(121人、73%)が最も多く、次いで「4〜5校」(27人、16%)という結果になりました。実は、受験準備開始当初にお父様方に同じ質問をした時に、最も多かったのは「1校だけ」という回答でした。志望校数は、実際の試験日が近づくにつれて多くなり、最終的には4〜5校のご家庭がほとんどです。私立小学校についていろいろと調べて理解を深めていくうちに、良い学校がたくさんあることがわかり、それにつれて志望する学校は増えていきます。また、必ず私立に入学させたいご家庭では現実的に複数の併願校を決めていくことになります。
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