JAC幼児教育研究所

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「ジャックが目指す良い授業」とは

2024年3月28日 09:30

難しすぎるペーパーをするデメリット

 

「学力をつけたいのですか?それとも合格がしたいのですか?」とお聞きすると、「えっ、同じことじゃないんですか!」と驚く方が少なくありません。

「学力をつけること」と「合格をすること」には違いがあります。ご理解頂くために、体操に置き換えて説明しましょう。

例えば縄跳び。前回りができるようになったら次は後ろ跳び、その次は二重跳びと難易度を上げていけば、間違いなく縄跳びの上手な子になれます。ところが、小学校受験では二重跳びが出題されたことはありません。つまり、縄跳びが上達し二重跳びができるようになっても、合格には直接関係しないのです。

ペーパーでも同じことが言えます。数、図形、言語、推理思考、常識、話の記憶など、どの領域においても、難易度の高いペーパーができるようになれば、平易なペーパーは簡単にクリアできるはずです。しかし入試においては、過去問よりも多少難しい問題が出ることはあっても、極端にレベルアップした問題が出題されることはありません。なぜなら、入試の目的はトップ(一番)を決めることではなく、多数の志願者の中から学校が入学して欲しいと思う子どもを定員数まで選ぶことにあるからです。難問を出題すれば、ずば抜けて出来る子を見出すことはできても、それ以外の子はみんな点数が取れないため普通の子も劣る子も同じ結果となり、試験の目的を果たせなくなってしまいます。

重ねて言いますが、小学校受験では、例年よりも簡単過ぎる問題も、難し過ぎる問題も、絶対に出ることはありません。

こうしたことから、ジャックでは、『良い授業』とは、基本から応用まで無理なく実力を養っていけるよう組まれたカリキュラムに従い、子ども達に分かりやすい授業をすることであり、『良い学校別カリキュラム』は、志望校が求める難易度の少し上のペーパーを子ども達に理解させることだと考えています。仮に、どんなに難しい問題が解けるようになったとしても、そのために多くの時間を使い、製作、体操、巧緻性といった他の準備をする時間が削られるのであれば、何の意味もありません。また、難問に取り組んだために不正解が多くなり、せっかく持っていた勢いや自信を失ってしまう子もよく見かけます。

一方、家庭学習では、やみくもに問題集に取り組むのではなく良質の復習をして力を定着させることが重要です。一つ例を上げましょう。例えば、「リンゴが10個並んでいます。一番左のリンゴの上におはじきを置き、1個置きになるようにおはじきを置きなさい」という問題を間違えた子が、「1個飛ばしに」と言い換えただけで正解できることがあります。これは語彙力不足が原因です。家庭学習で、細かい表現をいろいろと変えながら授業でやった問題に取り組むことで、授業の内容をしっかりと身に着けることができます。

そして、そうやって日々培った成果を模擬テストで確認しながら合格曲線に乗ることで、合格はどんどん近くなっていきます。

もちろん、幼児の授業は、教え方が正しいだけでは良い授業とは言えません。子ども達が喜んで覚えていける楽しい授業であること。これもまた、非常に重要な事なのです。

ところで、ジャックの年長体操では縄跳び1分と、鉄棒逆上がりに取り組みます。小学校受験でそこまで求められることはないのに、なぜ取り入れているのでしょうか?

ひとつには、縄跳びによって足の力(バネ)をつけたいと考えています。また、努力してできるようになったという成功体験を通して、諦めないこと、継続して努力することを学んでほしいとも考えています。その意味では、すぐにできるようになって練習しなくなった子よりも、なかなかできるようにならず練習を続けた子の方が、得るものが大きいと言えるかもしれません。

教育には必ず目的があります。家庭学習でも、それをしっかりと理解して指導することが、確かな成果につながっていくのです。

 

〜次回の掲載は4月18(木)の予定です〜

キーワード:小学校受験